牛のはなし

牛のはなしABOUT COW

乳牛の一生牛のライフスタイル

酪農現場では、妊娠方法として人工受精が取り入れられています。
母牛が妊娠して仔牛を生むまでのサイクルを見てみましょう。

乳牛の出産サイクル

  • 1泌乳ひにゅう初期

    分娩後のはじめ1週間位は、「初乳しょにゅう」と呼ばれる濃度が高く、免疫抗体を含んだ特殊なお乳を出します。

  • 2泌乳ひにゅう最盛期

    泌乳量が最も多い期間。1日に搾る乳量は牛乳1ℓパックで約50本位です。この時期に人工授精を行います。

  • 3泌乳ひにゅう中期

    徐々に泌乳量が下がり始めます。1日に搾る乳量は牛乳1ℓパックで約30本位です。

  • 4泌乳ひにゅう後期

    泌乳量が最も低下する期間です。

  • 5乾乳

    出産のためにお乳を搾らず、からだを休めることです。

誕生から出産までの流れ

  • 誕生わずか0.15mm前後(受精後7日間)の受精卵から約40kgの仔牛が誕生。牛も仔牛を生んでから初めてミルクを出します。一度出産すると約1年間ミルクを出します。
  • 育成生まれた仔牛は2ヶ月で牧草を食べ始め離乳し、濃厚飼料も与え始めます。酪農家は育成後期(14~16ヶ月)に21日毎の発情周期をチェックし、牛の状態が良かったら人工授精を行います。
  • 人工授精優秀な遺伝子を持つ雄の精子をマイナス180℃の液体窒素で保存し、精液は注射器を用いて雌牛の子宮に入れます。妊娠には、栄養状態やホルモンのバランスが影響するので、細やかな配慮を必要とします。
  • 妊娠妊娠期間は約10ヶ月。人間の赤ちゃんと同じ位の期間妊娠しています。生まれて2年たった頃、最初の出産をします。その後、12~15ヶ月で次の出産を迎え、このサイクルを2~4回繰り返します。
  • 出産基本的には自力で仔牛を生みますが、難産の場合は酪農家や獣医師が出産の手伝いをします。

乳牛の種類

日本の乳牛の代表といえばやはり「ホルスタイン」ですが、その他にも世界にはたくさんの乳牛がいるんです。
ここでは世界の五大乳牛を紹介します。阿蘇ミルク牧場でも会えますよ!

ぼくの仲間を紹介するよ!

世界の五大乳牛

  • ホルスタイン

    ホルスタイン

    オランダ(フリースランド州)またはドイツ(ホルスタイン州)原産の乳用牛

    黒または黒白の斑(ぶち)がある大型の乳用牛です。柔順な性格でさまざまな環境に順応するので、世界各地で飼育されています。乳量が多いのが特徴です。

    特徴

    体は一番大きいですが性格は優しく、大きな乳房からはたくさんのミルクを出すことができます。牛乳としては一番好まれています。

  • ジャージー

    ジャージー

    イギリス海峡(ジャージー島)原産の乳用牛

    白に近い淡褐色から濃褐色の乳用牛です。早熟で耐寒性があり、高原や山麓地帯での放牧に適しています。乳量は少ないのですが、質がよく、バターやクリームの原料として使われています。

    特徴

    体が小さくミルクの量も少ないのですが、乳脂肪分がとても高いのが特徴です。

  • ガンジー

    ガンジー

    イギリス(ガンジー島)原産の乳用牛

    ジャージーよりやや大きく、淡褐色の地色に白斑がある乳用牛です。頭部にハート型の白斑があり、産乳性はジャージーと同程度ですが、質は乳牛の黄色みが濃く、脂肪の含有量が多いのが特徴です。

    特徴

    乳脂肪分が高いミルクが出るため、牛乳として飲むよりもバターやチーズ作りに多く利用されています。

  • エアシャー

    エアシャー

    スコットランド(エア州)原産の乳用牛

    中等大の乳用牛で、淡赤色から褐色の体に白斑があります。耐寒性があり、粗飼料での飼育にも耐え、強健で繁殖も旺盛な品種です。乳用ですが肥畜性もあり、肉質もよいという特徴があります。

    特徴

    ホルスタインとよく似ていますが、茶色と白のまだらが特徴で、自然環境にも強い身体です。

  • ブラウン・スイス

    ブラウン・スイス

    スイス山岳地帯生まれの乳肉兼用牛

    体は灰褐色で下腹部と四肢の内側が淡い中型の品種です。スイス山岳地帯で飼われていた乳肉兼用種で、アメリカで改良されたものが、主に乳用種として広く飼育されています。

    特徴

    大きな体と大きな乳房があり、大人しい性格です。牛乳としても飲まれていますが、チーズ作りにも適しています。

牛のカラダには
ナゾがいっぱい!?

毎日飲んでいる牛乳。牛さんからは1日どれくらいでるのかなぁ?牛さんは、1日どれくらいごはんを食べるのかなぁ?
牛のからだにはなぞがいっぱい。さっそく牛のからだについて調べてみようね。

牛さんのナゾってなんだろう?

牛の体

干し草約15キロ

一日の食事量ってどのくらい?

からだが大きいからたくさんごはんを食べるよ。1日に食べる量は青草で50~60kg。干した草や配合飼料を合わせて20~30kgも食べるんだよ。それから糞は1日20~40kg。尿は1日15~20リットルも出るんだって。みんなの体重と比較してみて。すごいでしょう。これがお米や野菜の大切な肥料に変身するんだよ。

胃袋が4つ

胃袋が4つ!?

胃袋は4つも持っているんだよ!そのうちの第1胃には多くの微生物がすんでいるんだって。だから人間の胃では消化しにくい牧草やかたいエサも4つの胃でゆっくり時間をかけて消化できちゃうんだよ。

1日のミルクの量

1日のミルクの量はどのくらい?

一日で20~30リットル(200mlの牛乳で100~150本分)、牛によっては50リットル以上もでるんだって。 乳牛のおっぱいは大きいよ!!しかも乳首が4つもあって、ここからみんなが毎日飲んでいるミルクがビュッと出てくるんだね。毎日食べる牧草が白いミルクに変身するんだから牛のおっぱいって不思議なところだね。