ミルクの成分とはたらき~カルシウム編~

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カルシウム

健康な体づくりには必要な栄養素がバランスよく摂取されることが大切です。日本の食生活はますます豊かになり、ほとんどの栄養素が所要量を満たしている中で、唯一カルシウムだけが不足しています。欧米諸国と比べてみても日本人のカルシウム量が著しく不足しているのは、食習慣の違いもありますが大きな原因は"土"。もともと日本の土壌は火山灰質のためカルシウムが少ない酸性なのに対して欧米の土はカルシウムが豊富。土にカルシウムが少ないと水や野菜に含まれるカルシウムの量も当然少なくなるわけです。ですから私たち日本人はカルシウムを多く含んだ食品を積極的に摂取するよう心がける必要があるのです。

平成19年度国民栄養調査・日本人の食事摂取基準

カルシウムの重要なはたらき

カルシウムというと「骨」を思い浮かべる人がほとんどでしょう。 確かに体内のカルシウムのうち約99%が骨や歯を形成しています。残り約1%のカルシウムは筋肉や神経・血液といった軟組織や細胞内にあります。この少量のカルシウムが各組織で営んでいる機能は多岐にわたり大変重要な働きを持っています。

  • 骨や歯をつくります。
  • 筋肉の収縮・弛緩:この働きで体を動かすことが出来ます。
  • 脳や神経の情報伝達:脳からの指令を体の各部署に伝えます。
  • 免疫機能に関与:細菌やウィルスを撃退する抗体の合成や分泌。
  • ホルモン分泌調整

カルシウムが不足するとどうなるの?

カルシウムは私たちの生命を支える全ての営みがカルシウムによって行われるといっても大げさではないくらい重要な栄養素ですが、不足すると私たちの体にどのような影響があるのでしょうか?

  • 成長不良
  • 高血圧
  • 肩こり
  • 物忘れがひどくなる
  • イライラする、突然キレる
  • 虫歯になりやすい
  • 骨粗しょう症(詳細は下記をご覧ください)

骨粗しょう症

骨粗しょう症の患者は、女性約800万人、男性約200万人、合計約1,000万人

骨は硬い物質のように思われがちですが、たえず古い骨が壊され、新しい骨が作られています(リモデリングといいます)。骨を作る勢いが骨を壊す勢いと釣り合っていれば、骨量は横ばいのまま維持されます。様々な原因で、骨を壊す勢いが骨を作る勢いを上回ると、骨量が減ってしまいます。バランスを崩す主な原因は閉経・老化とカルシウム摂取不足です。年をとると、転んで手をついたり、尻もちをついたりしたぐらいで、簡単に骨折してしまうことがあります。ここまで骨が弱くなった状態を、骨粗しょう症といいます。骨量はかなり少なくなっています。骨量が少なくなると、骨のなかがだんだんスカスカになり、外部からの力に対し、それに耐えられないほどに弱くなります。

その結果、かんたんに骨折したり、背骨が変形して背中がまるくなったりします。骨粗しょう症の患者は、女性約800万人、男性約200万人、合計約1,000万人と言われています。お年寄りの病気と思われがちですが、若い世代の骨粗しょう症予備軍も増加しているそうです。

骨粗しょう症が女性に多いのはなぜですか?

  1. 理由1男性に比べて女性は体が小さく運動量が少ないため、骨が小さい上に密度が低く2~3割カルシウムの蓄積が少ない。
  2. 理由2出産するとカルシウムが赤ちゃんのために使われ、授乳する時も体内のカルシウムが使われる。
  3. 理由3閉経後女性ホルモンが急激に減り、腸からのカルシウムの吸収が悪くなる。

年をとってから気をつければいいんですか?

効果的なのは、成長期に丈夫な骨を作っておくことです。 カルシウムの吸収率は乳幼児や成長期・妊娠・授乳期には高く、年を重ねるにしたがって吸収率が目立って低下していきます。骨代謝の活発な成長期から、ピークを迎える20歳頃までに強い骨を作った人ほど年をとってから骨粗しょう症になりにくいと言われています。

骨づくりのピークを過ぎたらカルシウムをとってももう遅いの?

骨づくりのピークを過ぎたらカルシウムをとってももう遅いの?

血液中のカルシウム濃度の低下を防ぎ、骨の中のカルシウム貯金を使わずに済むように、カルシウムは毎日必要な量を効果的に摂取する必要があります。カルシウム貯金を使うとだんだん骨がスカスカになって行きます。

カルシウムを多く含む食品

大切なのは吸収率

せっかくたくさんのカルシウムを摂取しても体に吸収できなければ意味がありません。重要なのはどれだけ吸収されるか?ということなのです。
カルシウムは消化吸収がされにくい栄養素ですが、牛乳のカルシウムは吸収率が高いのが特徴です。牛乳にはカルシウムの一部がそのまま吸収されるイオン状態で含まれていること、CPP(カゼイン・ホスホ・ペプチド)や乳糖が吸収率を上げるといわれています。また牛乳は、他の食品のカルシウムを一緒に食べることで吸収率を上げると考えられています。

カルシウムの吸収率

牛乳の飲用とともに大切なこと

牛乳の飲用とともに大切なこと(日光に当たる・適度な運動・ビタミンD・マグネシウム)

丈夫な骨を作るには、牛乳でたっぷりカルシウムを摂取するとともに、適度な運動と日光に当ることが大切です。適度な運動により骨に刺激を与えると、必要な強さを保つために骨の量が増えてより丈夫になります。また、皮下脂肪にはビタミンDになる前の物質があり、日光の紫外線を浴びることでそれがビタミンDに変化し、カルシウムの吸収を助けてくれます。食品では卵黄・バター・干ししいたけなどにビタミンDは多く含まれています。

もうひとつ重要な物質はマグネシウムです。マグネシウムは骨にカルシウムを取り込む「骨芽細胞」に働きかける役割を担っています。マグネシウムが不足すると「骨芽細胞」の機能が低下し、カルシウムがうまく骨内に取り込めないばかりか、せっかく摂取したカルシウムも骨から流出しやすくなってしまうのです。カルシウムとともにマグネシウムの摂取にも心がけましょう。

こんなことにも気をつけて!

塩分の取りすぎに注意

塩分を摂り過ぎると、せっかくカルシウムを摂っても尿と一緒に出て行ってしまう量が増えてしまいます。

アルコールは控えめに

アルコールの飲みすぎはカルシウムの吸収を悪くし、ビタミンDの働きも抑えてしまいます。 健康のためにも控えめに。

喫煙に注意

喫煙はカルシウムの吸収を悪くします。

出典:J-milk

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